「急冷縁を持つガラス質岩片」
撮影:T. Akashi,9月,下田市田牛

 伊豆半島には江戸城の石垣に使われた安山岩質石材とは異なる凝灰岩質石材が多く存在し、主として海岸沿いに設けられた多くの丁場から石材が搬出されました。明治17年発行のわが国最初の地質図である伊豆図幅に付表として紹介された石材採掘地は実に61か所におよぶ。これ以外にも小さな丁場が方々に開かれていたものとみられ、この田牛の丁場も採掘時期は不明。画像は、凝灰角礫岩の中の比較的大きな角礫で、水中に落下したものか周辺に厚さ20mm程度の急冷層を持っているのが特徴。肉眼では斑晶が殆ど認められないの事と、凝灰岩内に存在し周辺に類似岩片も存在するのでガラス質(無斑晶)安山岩片と思われる。伊豆ジオパークの下田地域の見学会参加時に撮影。(画像解説