「Popocatepetl(ポポカテペテル)火山岩屑なだれ堆積物」
M. Sumita,2005年2月9日, メキシコ、プエブラ州

  Popocatepetl(ポポカテペテル)火山(5246m)からの岩屑なだれ堆積物は,主に2000年前より前のものとされている.露頭写真を撮ったのは2005年のことで,道路ができ上がったばかりだったこともあり交通量は非常に少なかった.また,この一連の道路沿いの露頭のおかげで,大規模な山体崩壊が,一度ならず何度も起っていることがわかった.最近のフィールドワークはGoogle Earth で露頭を探せる時代となった.つい数年前,高速道路が完成する前は工事中でアクセス可能であったグランカナリア島の道路の非常に美しい露頭が,完成とともにアクセス不可となり,非常に悔しい思いをしたことがあった.しかしその後なんということか,Google Mapのストリートビューでいつでもパソコン越しに見ることができるということがわかり,嬉しいのか悲しいのかわからなくなってしまった.露頭写真に情緒を求めるのは地質屋としての性分なのかも知れないが,今の時代に,遠い国のそうした露頭をヴァーチャルに見ることも可能となって,火山もずいぶんと身近なものとなってきたかも知れない(火口の中も見える火山もあるそうだ).この岩屑なだれ堆積物の露頭も,試しにストリートビューで見てみたところ,私が見た頃よりかなり植生が生えたことや道路拡張で様子が変わっているものの,比較的健在であることがわかった.それにしても,こんな巨大な岩屑なだれに襲われたらひとたまりも無いだろう.