北海道駒ケ岳

火山巡りの旅2004.8 信越6火山編

文・写真:長島茂(しげちゃん)


旅程

8月9日
 自宅→関越道→上信越道→長野道→妙高山→糸魚川市→新潟焼山→白馬村→松本市

8月10日
松本市→乗鞍岳→白骨温泉→アカンダナ山→松本市

8月11日
松本市→沢渡→上高地→焼岳→上高地→沢渡→松本市

8月12日
松本市→塩尻→木曽福島→御嶽山→木曽福島→塩尻→長野道→中央道→自宅




妙高山編


新潟県の妙高市新井市街の関川橋から望む妙高山
・8月8日23時自宅を出発。環七から目白通りを通過して練馬インターから関越自動車道に入る。関越道→上信越道→長野道を通る。

・8月9日6時長野道妙高高原インターに到着。妙高山麓の赤倉温泉、関温泉を経由して7時 妙高山北麓の燕温泉に到着。徒歩にて惚滝に向かう。(関越道練馬インター→長野道妙高高原インター距離250.9km料金5,750円二輪車)

・妙高山(2455m)は新潟県の南西部にあり、東側に開いた馬蹄形のカルデラ外輪山(赤倉山、三田原山、大倉山、神奈山等)の中に中央火口丘の妙高山があります。マグマを噴出した活動は約3千年より発生していませんが、山麓には過去の溶岩流により出来た見事な柱状節理の滝が見学出来ます。現在の火山活動は南側の赤倉山と妙高山の間で活発な硫気活動があります。山麓の妙高高原には多くのスキー場、温泉等があり日本有数のリゾート地としても知られております。 妙高市観光協会


大田切川の橋から燕温泉(中央やや左の建物)と妙高山の北外輪山(神奈山 左側の山・大倉山 中央の山)を望む

妙高山燕温泉奥にて見られる柱状節理が見事な惚滝(そうたき)
・7時半燕温泉から20分程歩くと惚滝に到着します。約5千年前噴出した燕溶岩流からなり、見事な柱状節理が観察出来ます。付近では硫黄臭がしていて、更に滝の下の岩盤からは蒸気が上がり温泉が湧いていました。

大田切川橋脇の川岸で露出している安山岩溶岩の岩脈
・次に燕川岸で関川岩屑なだれ堆積物露頭を観察します。約1万9千年前に現在の中央火口丘カルデラを形成した時の堆積物です。此処から関温泉の源泉が湧いています。


燕温泉と関見峠間の道路側壁で露出している火砕流堆積物層(間に火山豆石が含まれている)
・ 続いて関見峠手前の道路脇には火砕流堆積物露頭が有り、その中に火山豆石層が観察出来ました。薄いピンク色の露頭で数oの小さな豆石が観察出来ます。


関見峠トンネル付近で見られる丸山溶岩流露頭
・8時半関見峠で丸山溶岩層を観察します。妙高山第2期に噴出した薄いピンク色の溶岩で、ブロック状の節理が観察出来ました。


赤倉温泉付近で見られる赤倉火砕流堆積物層
・次に赤倉温泉で赤倉火砕流堆積物露頭を観察します。赤倉火砕流は妙高山中央火口丘形成初期の約5300年前に噴出した火砕流です。


赤倉温泉の白田切川白妙橋から望む妙高山(中腹には1978年の泥流崩壊跡が見られる)
・赤倉温泉を通り過ぎた白田切川白妙橋で1978年泥流跡を観察します。橋から上流を見ると崩壊跡が見えます。昭和53年5月に発生した泥流は住宅地を襲い犠牲者が出たそうです。


赤倉温泉白妙橋近くの道路脇で露出している木場泥流堆積物層(露頭真ん中で礫が集約しているのが泥流堆積物その下位の層は赤倉火砕流堆積物)
・白妙橋の先にも泥流堆積物露頭が観察出来ます。この泥流堆積層は今から約1500年前に、1978年の泥流を遥かに上回る規模の泥流が発生した事が判っているそうです。


池の平付近から望む三ツ山(妙高山手前でテーブル状の山 三ツ山は厚い溶岩流の末端)
・次に妙高高原 池の平温泉をから三ツ山を遠望します。三ツ山は厚い溶岩流の末端崖です。次に池の平温泉を通過して妙高山南麓に有る苗名滝に向かいます。


南で見られる黒姫山の溶岩流で作られた苗名滝(柱状節理が観察出来る)
・9時半苗名滝に到着。苗名滝は妙高山の南に有る黒姫山から約10万年前に噴出した溶岩流の滝で妙高山の惚滝同様、見事な柱状節理が観察出来ました。


乙見湖のダム堤防から望む妙高山西外輪山の三田原山

乙見湖ダムから望む新潟焼山(2400m 中央の山)
・続いて妙高高原スキー場付近で妙高山の火砕流堆積層を観察します。赤紫色の露頭で様々の大きさの岩塊が含まれていました。

・妙高山と火打山の登山口となる笹ケ峰を通り、次に乙見湖に向かいます。乙見湖笹ケ峰ダムに到着すると妙高山外輪山の一つ三田原山が望め、乙見湖の向こうには新潟焼山が望めましたが山頂は雲に隠れていました。




・乙見湖からは舗装道路からダートの道に変わり林道に入ります。笹ケ峰から少し進んだ所には湖成層堆積物露頭が現れます。その中には姶良火山灰層が含まれてます。

・その後林道を進み、乙見山峠を通過して、小谷温泉から姫川温泉に出て国道148号に合流。国道を北に進み新潟焼山に向かいました。



新潟焼山編

・新潟県糸魚川市の南東にある新潟焼山(2400m)は今から約3千年前より形成された新しい火山です。最近は活動も沈静化しており、山頂まで行ける様になりました。山頂部は溶岩ドームですが、過去には規模の大きな火砕流と溶岩流が北側に噴出しています。

・妙高山を巡った後、林道を抜け、姫川温泉から国道148号を北に向かいます。幾つもの雪崩よけのトンネルを通過して姫川とJR大糸線を横に見ながら進むとやがて新潟県糸魚川市に入ります。


土塩から新潟焼山を望む
・北陸道糸魚川インターを過ぎると程無く、日本海が見えて来ました。海沿いを走る国道8号へ出てからは日本海を左に見ながら国道8号を東に進みます。

・糸魚川から国道8号を5km程進むと国道脇に焼山温泉の看板が有り、早川橋手前を右に曲がります。田園風景の中、緩やかな上り坂を進んで行くと土塩と言う集落に到着します。

・13時糸魚川市土塩に到着。此処から上流方向を見ると新潟焼山が望めるはずでしたが、霞んでいて焼山は見えませんでした。


焼山温泉

焼山温泉での早川火砕流堆積物露頭
・土塩から少し進み、寒谷では前川土石流堆積物層と早川火砕流堆積物層を観察しました。前川土石流は約3千年前、新潟焼山が噴火しだした初期に流出した土石流です。

・13時半焼山温泉に到着。焼山温泉の裏には高さ約15m火砕流堆積物の露頭が有って、下位には炭化した層が観察出来ます。その中には表面だけ炭化した根株も埋もれていました。


前山溶岩流最先端部より早川下流を望む
・続いて笹倉温泉を過ぎると目の前には川に挟まれた高さ約50m位の台地が現れます。約1千年前新潟焼山から噴出した前山溶岩流の末端崖です。


笹倉温泉より見た前川溶岩流
・前山溶岩流の末端崖から細い道を登ると展望が開けた所に出ると眼下には笹倉温泉と焼山温泉が望めました。


火打山川にある第1号砂防ダムから前山溶岩流を望む
・更に登り分岐路を左に進むと、砂防ダム公園に出ます。此処から上流方向を見ると巨大な溶岩流じわ地形を見る事が出来ます。溶岩流の脇には少し盛り上った溶岩堤防地形も観察出来ました。




アマナ平付近で見られる前山溶岩露頭

アマナ平付近で露出する火砕流堆積物層
・分岐路に戻り焼山方向に進みます。道が悪くなり、アマナ平付近では赤色の大谷火砕流堆積物露頭と赤茶色の前山溶岩を観察しました。此処から先はバイクで進むのは困難と判断して引き返しました。




乗鞍岳編


焼岳より望む乗鞍岳

蓼科山より望む乗鞍岳
・乗鞍岳(3026m)は長野県の中西部にある活火山で、日本の活火山の中で3番目に標高の高い火山です。山頂部まで自動車道路が通じており、日本アルプスの中で比較的簡単に登れる3000m級の山として有名です。現在の火山活動は北東側山麓に弱い噴気活動が継続しています。過去には大規模な溶岩流が発生しており、山頂部には過去の活動で形成された火口、溶岩ドーム等の火山地形が多く残されています。


・8月10日5時半 松本市を出発。松本駅前から国道158号を乗鞍岳に向け西へ進む。途中からは松本電鉄の線路を左に見ながら走りやがて松本電鉄新島々の駅前を通過します。駅前にはタクシーと上高地行き、乗鞍高原行きシャトルバスが並び観光地の玄関口らしく賑わっていました。


乗鞍高原の番所大滝

乗鞍高原の番所大滝で見られる番所溶岩流層
・梓川沿いを走り、奈川渡ダムを通過したら、その先 前川渡大橋を県道84号に入り、乗鞍高原に向かうと進行方向に乗鞍岳が見えて来ます。

・午前6時半乗鞍岳中腹の番所大滝に到着。此処で番所溶岩を観察します。駐車場から滝展望台までの遊歩道には横に節理が入った板状節理が観察出来ました。


乗鞍高原にある観光センター(乗鞍岳シャトルバス発着場)

山頂まで運行しているシャトルバス
・番所大滝から程無くして乗鞍高原に到着します。此処でバイクを止め、鈴蘭駐車場からシャトルバスに乗換えて乗鞍岳畳平に向かいます。料金は往復で2000円です。(最近になり値上げして往復2400円です。→シャトルバス時刻表運賃等

乗鞍畳平から恵比寿岳溶岩ドーム
・鈴蘭駐車場からバスに乗る事約1時間で乗鞍岳畳平(2700m)に到着します。畳平は日本で一番高所に有る車道です。畳平バス停を降りると、お土産屋と山荘が立ち並び賑やかです。

・山荘裏には一つのピークと火口地形が見えますが今から約2千年前に恵比須岳溶岩を噴出して溶岩ドームを形成した恵比須岳(2831m)です。恵比須岳からは西方向に溶岩流が流れました。


登山道途中から見た不消ヶ池と左側には山頂にコロナ観測所がある摩利支天岳

乗鞍岳の富士見岳(2817m)で見られる富士見岳溶岩流層
・9時半畳平を出発して登山道を先ず肩の小屋に向かいます。鶴ケ池の脇を通り、富士見岳(2817m)を廻る様に進みます。富士見岳斜面の所々にはコマクサが咲いていました。更に進行方向右には、湖畔に残雪が残る不消ケ池を挟み左手の山頂上に白いドームの建物が見える摩利支天岳(2872m)とコロナ観測所が望めます。

登山道途中から望む乗鞍岳剣ヶ峰

乗鞍岳の富士見岳(2817m)で見られる富士見岳溶岩流層
・摩利支天岳を巻いて南側に移ると進行方向には乗鞍岳剣ケ峰(3026m)とその下に肩の小屋の建物が現れます。肩の小屋付近からの斜面に高さ約5m程の高まりが下に続いているのが見えますがこれは剣ケ峰溶岩流の溶岩堤防地形です。剣ケ峰東斜面には残雪が残りサマースキーをする人々が見えました。

肩の小屋より剣ヶ峰方向を望む

登山道にて見られるパン皮状火山弾
・畳平から約30分程の歩きで肩の小屋に到着します。小屋から先は本格的な登りの登山道に成ります。途中にはパン皮状火山弾が転がっていました。

剣ヶ峰登山道より望む肩の小屋(右下)と摩利支天岳山頂のコロナ観測所

登山道から眼下に望む肩の小屋(左)と乗鞍エコーライン道路(右)
・肩の小屋からはやや急な登山道になり、登るにつれて、眼下には肩の小屋とコロナ観測所が望める様になります。

剣ヶ峰登山道より望む乗鞍岳剣ヶ峰

権現池火口湖
・肩の小屋からやや急な登りを約45分ほど登ると朝日岳と剣ケ峰の鞍部に到着します。剣ケ峰山頂がすぐそこに見えて手が届きそうな感じです。目の前には青い水を湛える権現池火口湖が望めました。

剣ヶ峰山頂(3026m)向こうに見えるは大日岳(3014m)

剣ヶ峰山頂より畳平方向を望む
・鞍部から15分位の登りで午前11時剣ケ峰頂上(3026m)に到着しました。山頂には小さいながら神社が有って神主さんが常駐していました。

・山頂からの展望は眼下に権現池火口湖とその左に大日岳(3014m)と屏風岳(2968m)が望めました。北方向は雲に覆われて槍ヶ岳、穂高連峰等は望めませんでした。

冷泉小屋前にて見られるテフラ層
・1時間程、山頂からの展望を楽しんでから肩の小屋まで下山します。肩の小屋で休憩を取り軽食を食べて、その後に畳平へと戻りました。畳平の帰りは乗鞍高原行きのシャトルバスに乗り、途中の冷泉小屋バス停で途中下車して乗鞍岳のテフラ層を観察しました。




アカンダナ山編

・アカンダナ山(2109m)焼岳の南にある小さな火山です。最近の調査により、今から約1万年以内に山頂部より溶岩が噴出したのが判明しており、最近になって活火山とされました。現在、噴気活動は無いですが、1995年に山麓の中ノ湯温泉で工事作業中に突然、地下から高圧の水蒸気が噴出して作業員が犠牲となる事故が起きました。工事作業が引き金になり地下に閉じ込められた水蒸気が噴出して小規模な水蒸気爆発が発生したとされております。


1995年2月に水蒸気爆発が発生した国道158号線の中の湯 梓川岸(現在は川岸の岩盤から蒸気抜きのパイプが設置されている)
・乗鞍高原から上高地乗鞍林道有料道路を進むとやがて白骨温泉街に入ります。白骨温泉からは細い道路を沢渡に向けて走ります。沢渡からは国道158号に合流して上高地方向に進みます。

・梓川岸には硫気変質した崖が見える様に成ると道路脇には蒸気抜きの為、駐停車禁止の表示看板が現れます。この場所は1995年2月に川岸の護岸工事中に梓川から高圧の水蒸気が爆発的に噴出して犠牲者が出てしまった現場です。後に焼岳の活動とされました。


安房峠付近からのアカンダナ山
・上高地の玄関口、釜トンネルの入口が有る中ノ湯から国道158号の旧道を安房峠に向かいます。旧道を登ると北方向には山頂から噴気を上げる焼岳が望めます。

・安房峠の手前には左手に平方形に窪んだ小船と呼ばれるちょっと不思議な地形が見えて来ますと直ぐに安房峠に到着します。峠から少し下った安房平で遠望から緑に覆われこんもりとしたアカンダナ山(2109m)を撮影します。アカンダナ山は溶岩ドームと溶岩流地形の山で最新のマグマ噴火は約6400年前に山頂溶岩ドームを形成した噴火だそうです。




焼岳編


東麓からの焼岳
・焼岳(2455m)は上高地の入口にそびえる北アルプスで唯一の活火山で噴煙を上げる様子からアルプスの香炉と称されております。山頂部は溶岩ドームで形成されており、火口湖の正賀池があります。大正時代の大噴火で発生した泥流により麓を流れる梓川を堰き止め大正池が出来また。明治以降、昭和30年代まで噴火活動は活発でしたが、現在は活動も穏やかで山頂付近(焼岳北峰)まで登れます。火山活動は現在、山頂及び、中尾峠付近で硫気、噴気活動が続いています。

・8月11日5時半松本駅前のホテルを出発。国道158号を西へ進む。6時半沢渡駐車場に到着。此処から上高地行きのシャトルバスに乗る(上高地行きバス時刻、運賃表等)。


標高1650m付近の焼岳登山道から見える峠沢の中尾火砕流堆積物層
・中ノ湯から釜トンネルを交互通行で通過する。釜トンネルを出ると梓川岸が広くなり、程無く大正池が見えて来ました。枯木が立つ大正池の向こうには頂上から噴煙を上げる焼岳が間近に望めます。(現在は釜トンネルも拡張工事が終わりスムーズに通行出来る様になりました。)

・7時帝国ホテル前バス停で下車して帝国ホテル横を通り、梓川に架かる田代橋を渡ると西穂高岳登山口にぶつかります。此処で左に曲がり、広い遊歩道を10分程歩くと焼岳登山口に到着します。

・しばらくは勾配の緩い登山道ですが、徐々に登りがきつく成って来ます。登山道の先が視界が開け沢の全貌が見えて来ると対岸が崩壊していて堆積層が観察出来ました。

標高1800m付近の焼岳登山道脇で見られる焼岳テフラ層(表土直下に薄く白いテフラ層が確認出来る)
・更に登るとえぐれた登山道の脇に白いテフラ層が観察出来ます。その後、アルミ製の梯子を登り、しばらく行くと割谷岳の岩壁が近づいて来ます。

中尾峠から焼岳を見る

中尾峠展望台での噴気口(周囲の草が噴気熱のため枯れている)
・岩壁の下に着くと高さ約10m程の梯子場が現れて梯子を登って行きます。登り切ると草原の斜面に着き、ジグザグの登山道を登ります。鞍部に着くと先には焼岳小屋が見えて来ました。

・登山口から約3時間掛かった午前10時半に新中尾峠の焼岳小屋に到着です。30分程休憩して焼岳小屋から少し登った所に有る焼岳展望台に着きます。展望台付近のあちらこちらからは噴気が上がっていました。此処から焼岳を見ると物凄く急な斜面でこのまま上高地へ引き返そうかなとも考えましたが、とにかく行ける所まで行ってみようと思い先に進みます。

962年割れ目噴火口の最上部(登山道はこの火口を横切ります)

1962年割れ目噴火口の最上部での噴気口
・中尾峠展望台から焼岳を見ると頂上直下から窪んだ谷が見えますが、これは1962年の噴火で形成された火口です。展望台から一旦旧中尾峠に下ると再び登り返して、焼岳の斜面に取り付き始めます。登山道は1962年噴火口の直ぐ横を通り、1962年噴火口付近では硫気口が有って、強い硫黄臭がしていました。

登山道の焼岳山頂下にて見られる焼岳山頂溶岩層

山頂から見た正賀池火口湖
・頂上直下に成ると溶岩の脇を通り、山頂火口縁の鞍部に到着します。眼下には正賀池火口湖が見えて遥か彼方には白山も望めました。
・黄色の硫黄が結晶した硫気口の山頂溶岩ドームを登ると北峰ドーム頂上(2444m)に到着です。頂上からの展望は北方向に槍ヶ岳と穂高連峰が、槍ヶ岳の左には笠ケ岳、南に目を向けると昨日登った乗鞍岳が、右眼下には上高地と大正池が望めました。

山頂直下硫気口

北峰山頂(2444m)山頂向こうに見える山は乗鞍岳(3026m)

北峰山頂から望む1911年の噴火で形成された隠居(インキョ)穴火口

北峰山頂から望む穂高連峰と槍ヶ岳(左)



御嶽山編

・御嶽山(3067m)は長野県南西部にある独立峰の大きな活火山です。民謡にも歌われているように木曽御嶽山の別名を持ち、古くから霊峰として山そのものをご神体としての礼拝登山が今も盛んに行われています。現在の火山活動は山頂部に限られており、山頂直下に噴気口があります。1979年水蒸気爆発の噴火以降、断続的にごく小規模な噴火を繰り返しております。1984年には南山麓を震源とした直下型の長野県西部地震が発生。御嶽山中腹が崩壊して現在でもその時の爪跡が残っています。

田の原からの御嶽山
・8月12日5時松本市を出発。松本インターから長野道に乗り、塩尻インターを降りる。塩尻から国道19号を南下。松本から約2時間後の7時木曽福島町に到着しました。 木曽福島駅前にバイクを停めて御嶽山7合目田ノ原行きのバスを待ちます。そして7時45分田ノ原行きのバスに乗り、御嶽山に向かいます(御嶽山行きバス時刻、運賃表)。

・三岳、王滝村を通ると、やがて霊峰御嶽山らしく道脇には数多くの登拝碑が立ち並びます。木曽福島から約1時間半後の10時半御嶽山7合目の田ノ原に到着します。

・バスを降りると目の前にはどっしりとした山容の御嶽山が望めます。山の左側には山腹がごっそりとえぐれた1984年長野県西部地震で崩壊した地形が見えました。

8合目から7合目の田の原と三笠山を望む

8合目から1984年崩壊地方向を望む
・数多くの登山者の中には白装束を着て登る人も見られました。最初は勾配も緩い道ですが鳥居を通過した位から本格的な登り坂に成ります。

・田ノ原から約1時間で8合目に到着。このあたりから森林限界を超え、視界が開けて来ました。今まで来た登山道を振り返ると眼下には出発点の田ノ原と御嶽山の側火山三笠山が望めました。

9合目で見られる溶岩流層
・更に登り8合目から約1時間で9合目に到着します。この辺りには登山道脇に溶岩流層が露出していて、観察しながら登って行きます。

王滝山から御嶽山山頂を見る
・一口水のポイントを通過すると今まで遠くに見えていた王滝山頂の山荘が段々と近づいて来ます。王滝山頂に着いて山荘と神社の脇を通ると目の前には草木が生えていなく荒涼とした風景の八丁ダルミが広がります。

・八丁ダルミの向こうにはこんもりとした山に何軒かの山小屋が並ぶ剣ケ峰、左側には1979年の噴火口から噴気が上がっていました。

御嶽山山頂

御嶽山山頂から一の池火口を見る
・田ノ原から約3時間後の13時八丁ダルミから一登りして山頂直下の何軒かある山小屋を通り最後に石の階段を登れば御嶽山頂上の剣ケ峰(3067m)に到着します。山頂には社殿があり、登拝者が祈りを捧げていました。山頂からの展望は北方向の眼下には水の渇れた一ノ池火口その右には湖畔に山小屋が見える二ノ池火口が望めます。

一の池火口の斜面と二の池火口湖

山頂直下の覚明堂で見られる巨大な火山弾
・山頂から北方向に降りて二ノ池に着くと登山道には石仏像が並び霊山の雰囲気が漂います。この付近では山頂から噴出した巨大なパン皮状の火山弾が数多く見られました。

賽の河原から摩利支天山を望む
・二ノ池から少し下り、賽の河原に着きます。此処から先に見える摩利支天山(2959m)は賽の河原の火口壁の様に見えました。

二の池から見た三の池火口湖
・賽の河原から摩利支天山の脇を通過すると眼下には三ノ池、四ノ池火口湖が望めました。

三の池火口から金剛堂への登山道途中で見られる溶岩流層

8合目金剛堂付近で見られる二の池溶岩流の溶岩堤防地形

三の池火口から金剛堂への登山道から望む東山麓の溶岩流地形(右)
・三ノ池まで降りてからは黒沢口登山道8合目の金剛堂まで少しアップダウンの有る登山道を進みます。途中には厚さ約5m程の二ノ池溶岩流と溶岩堤防地形が観察出来ました。更に眼下にはこれから向う御嶽ロープウェイの飯森駅が望めました。


・黒沢口登山道に合流して下り、30分程で7合目の行者小屋に着きます。行者小屋先から小道に入り、5分程で御嶽ロープウェイの飯森駅に着きます。此処からロープウェイに乗り、鹿ノ瀬駅に到着します。

・16時御嶽ロープウェイ駅から木曽福島行きのバスに乗り、17時半木曽福島駅に到着しました。バイクに乗り換え国道19号を塩尻へ向かいます。

・塩尻インターに着き、長野道に入り、中央道相模湖インターまで高速を走り、津久井町、相模原、町田を通過して20時自宅に戻りました。(長野道塩尻インター→中央道相模湖インター距離147.6km 料金2,950円 二輪車)