日本火山の会・2005年榛名火山観察会

2005年11月23日

 2005年の勤労感謝の日、榛名火山での火山観察会が日帰りで行われました。参加者は総勢12人。当日は、さほど寒くも無い晩秋の晴れ間の中、順調に各ポイントを回る事が出来ました。何人かの方に自家用車を出していただけたため、効率の良い快適なドライブとなりました。ルートは、高崎から榛名山の南西山麓を回り、南西から一気に山頂カルデラへと登った後、6世紀の噴火の後が残る北東山腹を巡りました。

 今回の観察会を企画し、リードしてくれた大石さんも観察会の様子をページにまとめて下さっているのであわせてご覧下さい。→大石火山研究室・2005年秋・火山の会・榛名火山巡検

 観察会は榛名南山麓の下里見からはじまりました。場所は段丘の斜面。

 斜面には段丘を造っている礫層が露出しています。かつての烏川の流れが運んできた円礫です。その上にあるロームの中には浅間山に由来する降下軽石層が2枚挟まっているそうです。

 続いての観察点は中室田という場所。5万年位前に榛名山がカルデラを造ったときに噴出した白川火砕流が周辺を被っています。火砕流堆積物が川に侵食されて出来た急傾斜の崖が川沿いにあります。河床は田んぼとして利用されています。

 火砕流堆積物の上には1万3千年前の浅間山の噴火に由来する板鼻黄色軽石もありました。

 浅間の軽石層の下位で、約3万年前に今の鹿児島湾が「破局的噴火」した時の火山灰(姶良丹沢テフラ)を見つけて、ただいまサンプリング中。

 つづいては榛名山を南西側から榛名湖へ向かって登っていきます。

 登山道路を登った山頂カルデラの中にある榛名湖の畔でお弁当を食べました。背後には、溶岩ドームからなる榛名富士がそびえています。

 対岸の掃部ヶ岳の中腹には、岩脈が侵食に耐えて露出しているのが眺められました。

 昼食後の最初のポイントは鷲の巣風穴。6世紀の噴火によって現れた二ツ岳溶岩ドームの麓にある風穴です。周りには溶岩ドームから落ちてきた巨大な岩塊がゴロゴロしていて、ここは岩塊の隙間から冷気が噴出してくる場所です。この場所には岩室が造られ、昔の人たちに保存庫として利用されていたようです。夏だと涼しくて気持ちのよい場所ですが、晩秋のこの季節には外気とさほど違いが分かりませんでした。

 鷲ノ巣風穴から伊香保温泉に少し下ったあたりに、6世紀の噴火で噴出した降下軽石層の大きな露頭があります。噴火口に近く、温度があまり下がらずに軽石が堆積したせいか、この露頭では酸化して赤く色づいた軽石が見つかります。

 続いては鷲ノ巣から、数km山麓に下った場所にある軽石採り場跡の露頭です。数年前までこの場所ではコンクリートの骨材などに利用するために6世紀の噴火の軽石が採石されていました。重機によって削られた豪快な露頭が今でも残っています。この場所は噴火口からは数kmは離れています。それにもかかわらず、5mはあろうかという厚さで降下軽石が堆積しています。

 気をつけながら軽石層に近寄ってみます。ここよりも噴火口に近い場所にある鷲ノ巣の露頭に比べ、細かい火山灰の量が少なく、軽石の大きさが比較的整っているように見えます。この場所でも直径数十センチはあろうかという大きな軽石が観察できます。

 物産館に立ち寄りました。

 もちろん上州の名産も味わいました。

 山麓では、紅葉の名残を楽しむことも出来ました。

 物産館の後に立ち寄った露頭は大輪沢川沿いの露頭。6世紀に起こった2回の噴火の堆積物が観察できます。

 今回の観察会では何枚かの図版を用意して、露頭と合わせて楽しんでもらいました。 。

 この場所では、榛名山の噴出物よりも深い場所に浅間山の噴出物らしきものも見つかり議論が盛り上がっています。

 でも日はすでにかなり傾いていました。

 夕暮れの中、最後の観察ポイントである金島の浅間石に行きました。皆が乗っている巨大な岩塊は江戸時代の浅間山の天明噴火のときに、数十キロ離れた上流から流れてきたものだそうです。誰しもの想像を絶する大きさでした。こんなものがどうやって流れてきたのでしょう?

 全員集まって浅間石で記念撮影。このときすでに日はだいぶ沈んでいました。

 最後には“反省会”と称する観察会の打ち上げで締めくくりました。また次回に是非お会いしましょう。

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