北海道駒ケ岳

2006年阿蘇火山OFF会

2006年10月22日

 日本火山学会が熊本県・阿蘇山で開催されるのに合わせて、火山の会でも2006年10月22日にミニ火山OFF会を行いました。火山学会前のわずかな時間を利用しての開催でしたが、短い時間ながらも阿蘇火山の核心を楽しむことが出来ました。学会に参加する方、この時期にあわせて休暇を取った方など合わせて6人の小さな火山OFF会となりました。

 集合は熊本空港。午前到着組みはひとまず空港見物に。この場所から飛行機の発着を見るのが目的ですが、その他にも火山チックな見所もあり。

 大峰と呼ばれる小さなピークが空港の東にありますが、9万年程前にここから噴出した玄武岩質な溶岩流が熊本平野に向かって西に流れて、広大な溶岩台地を造っています。実は、熊本空港は大峰火山から流れてきた溶岩台地の上に造られています。

 空港の東を通る国道443号線からこの場所まで小道を通って来られるのですが、その道がちょうど溶岩台地を登る道でした。生々しい溶岩の露頭は見つけられませんでしたが、自らの足で溶岩台地を実感することは出来ました。

 さて、溶岩台地に造られた空港に、午後到着組みの飛行機が着いたようです。

 全員集合してまず向かった先は熊本平野から阿蘇のカルデラに入ってすぐの場所にある阿蘇大橋。周辺は“立野火口瀬”と呼ばれ、カルデラから唯一流れ出している白川がカルデラ壁をV字に削りこんでいる場所です。

 阿蘇大橋から立野火口瀬の方向を眺めます。手前の谷は、中央火口丘の北を流れてきた黒川が造る谷です。遠くに見える橋の下あたりで、中央火口丘の南側を流れてきた白川と合流し、その後、白川はカルデラの外へと流れていきます。

 皆さん、大橋の柵にへばりついて、火口瀬の風景の撮影に余念がありません。

 阿蘇大橋からは数鹿流ヶ滝も見えました。こちらは阿蘇大橋の少し上流にある、黒川が造る滝です。この滝は、立野火口瀬に流れ込んできた赤瀬溶岩という溶岩流に掛かっている滝とのことです。

 火口瀬を眺めた後は、阿蘇火山の核心である中岳に向かって登山道路を登っていきます。その途中でおわんを伏せたような形が特徴的な米塚の近くを通ります。米塚は比較的最近の噴火で出来たスコリア丘。そばまで来ると可愛く見えますが登山道路を登っている途中から見上げる米塚にはむしろ威風堂々とした風格を感じました。

 中岳火口に向かう登山道路の途中には、上米塚というスコリア丘がもう一つあります。登山道路はこの上米塚スコリア丘の脇をすり抜けるどころか、ほぼど真ん中を切り通す形で造られています。火山地形が人工的に乱されてしまっている場所ではありますが、そのおかげでスコリア丘の内部がよく観察できます。

 通常、スコリアとは発泡した黒っぽい噴出物を指します。でも上米塚スコリア丘内部のスコリアは、高温酸化して赤い色になっています。遠くにあるスコリアは黒っぽいので、赤いスコリアは火口のすぐそばに堆積してしまったために、長い時間、高温にさらされつづけ、高温酸化が進み、赤くなってしまったものと思われます。

 登山道路を登りきって、ついに中岳火口のそばまで来ました。眼前にはトーチカを思わせるコンクリート製の避難壕が並んでいます。避難壕は、万が一、火山爆発が起こって火山弾が飛んできた時に避難するためのものと思われます。

 突然の爆発というのはめったなことでは起こりませんが、火山ガスの危険は中岳には常にあるようです。火口からは常に二酸化硫黄を含む火山ガスが放出されていて、濃度と風向き次第では観光客が訪れる展望台にまで流れてきます。そのような場合には周辺への立ち入りは規制されるので、規制に従えば、危険はさほどありません。ただ、二酸化硫黄に弱い体質の方には低濃度でも危険があります。展望台周辺には火山ガスの危険と規制区域を説明する警告板がそこかしこにありました。

 いよいよ中岳火口を覗き込みます。4つある中岳火口の中で、現在、唯一活動中の第一火口です。この日は運良く、火口内部が一望でした。火口内部には湯だまりが見えました。中岳火口は、火山活動の活発さに応じて、湯だまりができたり、火口底が乾燥したり、火口底が赤熱したりするようです。この時は、中岳火口は湯だまりの状態で、神秘的な色をした湖水を満々と湛えていました。

 阿蘇火山観光の核心である中岳火口のそばでは、観光客相手に様々な商売が行なわれています。こちらは記念撮影用設備の提供で1回十円。

 こちらは天然硫黄の販売。ただ硫黄の塊は飛行機には持ち込めないとの断り書きもあり。まあ発火物扱いでしょうか。

 第四火口のあたりまで歩いてきました。こちらの火口では現在、活発な火山活動は見られません。火山レキや火山灰といった火砕物が幾たびもの噴火で堆積して火口壁に縞模様を造っています。細かい縞とは見かけが違う、分厚い溶岩のような層も、元は火砕物だったようです。火砕物として堆積したものが、堆積物中に残っていた熱と自重によって溶結して、溶岩のような見かけになったとのこと。

 最後に立ち寄ったのが登山道路を下る途中にある草千里火口です。こちらは2万7千年前に出来た火口。

 草千里火口を眺めていたら、中岳火口から白い噴煙が上がっているのがよく見えました。天気も下降気味で、あたりもだいぶ暗くなってきたので、ミニOFF会はこれにて終了。

 中岳火口での記念撮影。今回は遠方でのOFF会だったので、参加できる人が限られました。また時間も半日だったので、駆け足になってしまいましたが、阿蘇火山の核心を味わうことが出来ました。また、次回、どこかのOFF会でお会いしましょう。

 

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