北海道駒ケ岳
日本火山の会 '10 伊豆半島OFF会

2010年伊豆半島OFF会

2010年2月27(土)〜28日(日)

 秩父OFF会から約1年ぶりに行われたOFF会は、伊豆半島で行われました。特に今回のテーマは、メーリングリストで2009年11月頃に一時話題となった、東伊豆単成火山群・カワゴ平噴火(約3100年前)の噴出物です。1日目に伊東に集合して中伊豆の筏場に向かい、下田の民宿に1泊して、2日目は西伊豆をドライブしながら地理・地学的に面白いスポットをまわりました。
 2日ともまとまった雨の予報で、初日の朝は予報通りでしたが、宿にいる時以外はほとんど雨もやみ、2日目の午後には完全な晴天になりました。皆さんの日頃の行い、良すぎです。


文責:大石


中伊豆・筏場(いかだば)の林道を歩きながら、カワゴ平噴火の一連の噴出物を見学しました。まずは黒曜石化した流紋岩質溶岩の観察。雨の中、ごくろうさまでした。

黒曜石もあれば、よく発泡した溶岩もあり、それらが混在しているものもあります。

カワゴ平降下軽石とそれを覆うサージ・火砕流。火砕流の中に溶岩と同種の黒曜石片が入っているのはなぜ?
また下位にはロームを挟んで地蔵堂噴火のスコリアが顔をのぞかせています。

こちらはカワゴ平火砕流の露頭です。全体的に、ピンク色に高温酸化しています。

万城の滝の見学です。前日からの雨によりこの辺の川はみな増水していました。

柱状節理の発達した地蔵堂溶岩の断面が観察できます(水は見ないのかい・・・)。裏に行くと柱状節理が崩壊して頭の上に柱が落ちてきますから。

万城の滝名物の、おろしたてのワサビを載せたソフトクリームです。大量発注に、太いワサビが一気になくなります。ここはH野さんお薦めのY野屋さんの経営だそうで、納得です。

蛇喰(じゃばみ)川(人によっては冷小川=ひゃっこがわとも呼びます)は、火砕流が谷を埋めて厚く堆積しています。そこかしこに露頭があります。この近くの沢ではかつて、火砕流に埋もれた太い幹を使って、年輪年代と放射性炭素法を使った高精度年代測定(ウイグル・マッチング)が行われました。

中伊豆から順調に河津まで降りてきたため、オプションの鉢ノ山に来ました。3.6万年前頃のスコリア丘です。山腹には粒径の違いによる成層構造が発達した降下スコリア層が露出しています。

とても立派な降下スコリア層です。粒つぶの表面も新鮮です。見るだけでも美しいですね。

今回お世話になった宿での夕食です。ここは食べきれないほどの新鮮な海鮮と家庭料理が並びます。ここでの食事は「戦い」です。
このまま連続的に飲み会に移行し、観察したものの話題、伊豆半島の成因に関する議論から、世間話、GPSや立体写真の活用をPCで実演するなど、賑やかなまま、あっという間に夜は更けていきます。

2日目の朝は雨、田牛(とうじ)のサンドスキー場で白浜層群のタービダイトを楽しみ、砂の斜面を一気に駆け下ります。

烏帽子山に着いた頃には雨もやんできました。上の見えない壮絶な階段と格闘中です。濡れているので足元に気をつけて! 海抜162mの頂上まで、ほとんど直登です。ようやく、夕・朝食の消化が促進され始めます。

烏帽子山山頂からの絶景。足元がすくみます。
ここはデイサイトの岩脈ということになっています。

お昼は、H野さんお薦め、寿しMさんで頂きました。一番人気の「ザ・駿河湾」は地元食材のにぎりです。

堂ヶ島では、津波警報により遊覧船が出ず、地上での地質見学です。白浜層群の堆積構造や地質に目を凝らしています。白色の粗い軽石を含む凝灰岩です。

海底に定置したらしい火山弾の観察。

地熱による変質で作られた宇久須の珪石を見に、夕陽で有名な黄金崎に寄りました。この頃には晴天となり、富士山も、対岸の清水にいる掘削船「ちきゅう」も見ることができました。私たちが「わー、ちきゅうが見える!」と言っていたのを観光客にはどう聞こえたでしょう。
時刻は14時過ぎ、チリからの津波の到達予想時刻で、大勢の観光客が津波をショーのように待っていたのには呆れました。

韮山の地震動擦痕です。写真では何が写っているのかわかりにくいと思います。興味のある人はぜひ下調べをせずに行ってみてください。
1930年の北伊豆地震では、大きな被害が出て建設中の丹那トンネルがずれたり丹那盆地で地表に左横ずれの変位がはっきり現れたりしました。伊豆半島では、いたるところに北伊豆地震や断層の痕跡が残されています。火山と地震と両方を考慮することで、伊豆半島のテクトニクスが見え始めます。

ラストは、富士火山に降った地下水が湧き出す柿田川湧水群です。韮山から激しい渋滞を縫って来て、日没直前にギリギリセーフで駆け込みました。いやー間に合ってよかった。

「反省会」は三島駅前です。津波の影響で、実は伊豆半島周辺は交通がかなり麻痺していたため、帰りは短距離でも新幹線を使う羽目に。みなさま、おつかれさまでした。


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